
「最近、階段の上り下りがつらい」「歩いていると膝が痛む」「膝が腫れて熱を持っている」など、膝の痛みで悩んでいる方はいませんか?
膝の痛みは、日常生活に支障をきたすだけでなく、放置すると症状が悪化してしまう可能性があります。
そこで今回は、膝の痛みの原因と自分でできる改善策について解説します。
膝の痛みの原因
膝の痛みは、さまざまな原因によって引き起こされます。代表的な原因は以下のとおりです。
変形性膝関節症
加齢や肥満、膝の使いすぎなどによって、膝の軟骨がすり減り、炎症や痛みが生じる病気です。初期には立ち上がりや歩き始めに痛みを感じ、進行すると安静時にも痛みを感じるようになります。
半月板損傷
膝関節にある半月板は、クッションのような役割を果たしていますが、スポーツや事故などで損傷することがあります。損傷すると、膝の痛みや腫れのほか、引っかかり感や不安定感が生じることがあります。
靭帯損傷
膝関節には、前十字靭帯、後十字靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯などの靭帯があり、膝の安定性を保っています。スポーツや事故などで靭帯を損傷すると、膝の痛みや腫れ、不安定感が生じることがあります。
関節リウマチ
免疫の異常によって関節に炎症が起こる病気です。膝だけでなく、手や足の関節にも痛みや腫れが生じることがあります。
その他の原因
上記以外にも、鵞足炎、膝蓋腱炎、オスグッド・シュラッター病、痛風など、さまざまな原因で膝の痛みが生じることがあります。
自分でできる改善策
膝の痛みを改善するために、自分でできる対策を紹介します。
1,安静にする
膝に痛みがある場合は、無理に動かさずに安静にすることが大切です。特に、痛みや腫れが強い場合は、医療機関を受診しましょう。
2.膝を冷やす
炎症や腫れがある場合は、氷嚢や冷却パックなどで膝を冷やすと、痛みが和らぎます。1回15分程度、1日数回を目安に冷やしましょう。
3.膝を温める
慢性的な痛みやこわばりがある場合は、蒸しタオルや入浴などで膝を温めると、血行が促進され、痛みが和らぎます。
4.ストレッチや筋力トレーニング
膝の周囲の筋肉をストレッチしたり、筋力トレーニングをしたりすることで、膝への負担を軽減し、痛みを和らげることができます。
ストレッチ
■ 大腿四頭筋のストレッチ:立った状態で片足の膝を曲げ、手で足首をつかんでお尻に近づけます。太ももの前側が伸びていることを感じながら、20秒程度キープします。
■ ハムストリングのストレッチ:床に座って両足を伸ばし、上体を前に倒します。太ももの裏側が伸びていることを感じながら、20秒程度キープします。
■ ふくらはぎのストレッチ:壁に両手を付いて立ちます。片足を後ろに大きく引き、アキレス腱を伸ばすようにかかとを床につけます。ふくらはぎが伸びているのを感じた状態で20秒ほどキープします。
筋力トレーニング
■ スクワット:足を肩幅に開いて立ち、ゆっくりと腰を落とします。膝がつま先より前に出ないように注意しましょう。
■ レッグエクステンション:椅子に座り、膝を伸ばして足を上げます。太ももの前側の筋肉を意識しながら、ゆっくりと足を下ろします。
■ レッグカール:うつ伏せになり膝を曲げていきます。かかとがお尻につくようにゆっくりと膝を曲げていきましょう。
5.体重を減らす
肥満は膝への負担を大きくするため、体重を減らすことで痛みが軽減することがあります。
6.靴やインソールを見直す
クッション性の高い靴や、足に合ったインソールを使用することで、膝への負担を軽減できます。
7.サポーターを使用する
膝のぐらつきや不安定感がある場合は、サポーターを使用することで、膝を安定させ、痛みを軽減できます。
8.市販薬を使用する
痛みが強い場合は、市販の鎮痛剤を使用することもできますが、用法・用量を守って使用しましょう。
予防のために日常生活で気を付けること
適度な運動を心がける
ウォーキングや水泳など、膝への負担が少ない運動を継続することで、膝の周囲の筋肉を強化し、膝の安定性を保つことができます。
バランスの取れた食事を摂る
カルシウムやビタミンDなど、骨や筋肉の健康に必要な栄養素をバランスよく摂取することで、膝の健康を維持できます。
正座やしゃがみ込みなど、膝に負担がかかる姿勢を避ける
長時間同じ姿勢を続けることも、膝への負担になります。
急な方向転換やジャンプなど、膝に負担がかかる動作を避ける
寒い日は膝を温める
膝を温めることで、血行が促進され、筋肉の柔軟性が高まり、痛みの予防につながります。
医療機関を受診する場合
以下の症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
- 安静時にも痛みがある
- 膝が腫れている
- 膝に熱を持っている
- 膝が変形している
- 膝がグラグラする
- 痛みが長引く
まとめ
膝の痛みは、さまざまな原因によって引き起こされます。自分でできる改善策を試しても症状が改善しない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
当院では、膝の痛みの原因を特定し、適切な治療法をご提案いたします。気になる症状がある方は鶴橋・玉造の山本整形外科にお気軽にご相談ください。