- 交通事故治療のリハビリとは?
- むち打ち症のリハビリが重要な理由
- むち打ち症のリハビリテーションの段階
- リハビリテーションの効果を高めるために
- ご自宅でできるセルフケアの例
- むちうちの治療は大阪鶴橋の山本整形外科へ

交通事故で最も多いとされるむち打ち症。
正式には「頸椎捻挫(けいついねんざ)」や「外傷性頸部症候群」などと呼ばれ、事故直後には症状が出ず、数日経ってから首や肩の痛み、頭痛、めまい、吐き気、手足のしびれなど、さまざまな症状が現れることがあります。
これらの症状を放置したり、適切な治療を受けなかったりすると、慢性的な痛みに悩まされたり、後遺症として残ってしまう可能性も少なくありません。そこで重要になるのが、整形外科での専門的なリハビリテーションです。
このコラムでは、むち打ち症のリハビリテーションがなぜ重要なのか、具体的な治療内容、そしてご自宅でできるセルフケアについて、整形外科医の視点から詳しく解説します。
むち打ち症のリハビリが重要な理由
むち打ち症は、首に強い衝撃が加わることで、頸椎周辺の筋肉、靭帯、神経などが損傷を受ける状態です。見た目ではわからない損傷のため、軽視されがちですが、適切にリハビリを行わないと以下のような問題が生じる可能性があります。
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慢性的な痛みの発生
急性期の炎症が治まっても、姿勢の悪化や筋肉の緊張が続くことで、痛みが慢性化することがあります。
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可動域の制限
首の動きが悪くなり、日常生活に支障をきたすことがあります。
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神経症状の悪化
手足のしびれや脱力感、めまいなどの神経症状が進行することがあります。
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心理的な影響
長期にわたる痛みや不調は、精神的なストレスとなり、うつ病などを引き起こすこともあります。
リハビリテーションは、これらの問題を防ぎ、早期の機能回復と後遺症の予防に不可欠です。
むち打ち症のリハビリテーションの段階
むち打ち症のリハビリは、症状の段階に合わせて慎重に進める必要があります。
1. 急性期(受傷直後~数週間)
この時期は、炎症と痛みが最も強い時期です。無理な運動は避け、痛みを和らげることが最優先されます。
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安静の保持
首への負担を最小限にするため、必要に応じてソフトカラー(首の装具)を使用することがあります。
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物理療法
患部の炎症を抑え、痛みを軽減するために、アイシング(冷却療法)や電気治療(低周波治療、干渉波治療など)、温熱療法などを組み合わせて行います。
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薬物療法
痛みが強い場合は、痛み止め(鎮痛剤)や筋弛緩剤などが処方されます。
この時期に無理に動かすと、症状が悪化する可能性があるため、必ず医師の指示に従いましょう。
2. 亜急性期~回復期(急性期後~数ヶ月)
炎症が落ち着き、痛みが少しずつ軽減されてくる時期です。この段階から、本格的なリハビリテーションを開始します。
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物理療法
引き続き電気治療や温熱療法などを行い、血行促進や筋肉の緊張緩和を図ります。
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徒手療法
理学療法士が直接、首や肩周りの筋肉の緊張を和らげ、関節の動きを改善させるための施術を行います。
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運動療法
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ストレッチ
硬くなった首や肩の筋肉をゆっくりと伸ばし、柔軟性を高めます。
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筋力強化運動
首を支える深層筋や、肩甲骨周りの筋肉を強化し、正しい姿勢を維持する力を養います。
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可動域訓練
痛みのない範囲で、首を前後左右に動かす訓練を行い、可動域の回復を目指します。
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姿勢指導
日常生活での正しい姿勢や、座り方、寝方などを指導し、首への負担を減らします。
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生活指導
パソコン作業時の姿勢やスマートフォンの使い方など、日常生活で気をつけるべき点についてアドバイスします。
この時期のリハビリは、専門家である理学療法士の指導のもと、正しい方法で行うことが非常に重要です。自己流で行うと、かえって症状を悪化させる可能性もあります。
リハビリテーションの効果を高めるために
むち打ち症のリハビリの効果を最大限に引き出すためには、いくつかのポイントがあります。
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早期開始
症状が出てから早い段階で治療を開始することで、慢性化を防ぎ、回復が早まります。
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継続すること
リハビリは、短期間で効果が出るものではありません。医師や理学療法士の指示に従い、根気強く続けることが大切です。
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自己管理
クリニックでの治療だけでなく、ご自宅でのセルフケアも非常に重要です。指導されたストレッチや運動を毎日継続しましょう。
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無理をしない
痛みがある時は無理せず、医師や理学療法士に相談しましょう。痛みが強いのに無理に動かすと、かえって回復を遅らせる可能性があります。
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精神的なケア
長期にわたる痛みや不安は、精神的なストレスを引き起こします。必要であれば、心療内科など他科との連携も検討します。
ご自宅でできるセルフケアの例
クリニックでのリハビリと並行して、ご自宅でもできる簡単なセルフケアを取り入れることで、回復を促進できます。ただし、必ず医師や理学療法士の指導を受けてから行うようにしてください。
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温める
お風呂で温まったり、ホットパックや蒸しタオルで首周りを温めたりすることで、血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎます。
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首のストレッチ
- 前後屈:ゆっくりと顎を胸に近づけたり、天井を見るように首を後ろに倒したりします。
- 側屈:ゆっくりと耳を肩に近づけるように首を傾けます。
- 回旋:ゆっくりと顔を左右に回します。
- 各動作を10~20秒キープし、無理のない範囲で行いましょう。
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肩甲骨の体操
肩をゆっくりと大きく回したり、肩甲骨を寄せるように動かしたりすることで、首への負担を軽減できます。
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正しい姿勢を意識する
デスクワーク中やスマートフォンの使用時など、首が前に突き出ないように、背筋を伸ばし、顎を引いた正しい姿勢を意識しましょう。
むちうちの治療は大阪鶴橋の山本整形外科へ
当院では、交通事故によるむち打ち症に対し、経験豊富な整形外科医と理学療法士が連携し、患者様一人ひとりの症状や状態に合わせたオーダーメイドのリハビリテーションを提供しています。
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詳細な問診と検査
最新の画像診断装置(X線、必要に応じてMRI提携)を用いて、正確な診断を行います。
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多様な物理療法機器
痛みや炎症を効果的に軽減するための最新の物理療法機器を完備しています。
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専門的な運動療法
理学療法士によるマンツーマン指導で、首の可動域改善、筋力強化、姿勢指導など、根本的な改善を目指します。
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親身なカウンセリング
治療だけでなく、自賠責保険に関するご相談や、日常生活での注意点など、患者様の不安を解消できるよう、丁寧なサポートを心がけています。
むち打ち症は、早期の適切な治療とリハビリが非常に大切です。少しでも不調を感じたら、我慢せずに整形外科を受診してください。皆様の早期回復のために、全力でサポートさせていただきます。