夏に増えるスポーツのケガにご用心! 大阪鶴橋・玉造の整形外科が解説

コラム

夏に増えるスポーツのケガにご用心! 大阪鶴橋・玉造の整形外科が解説column

2025.08.04
夏に増えるスポーツのケガにご用心! 大阪鶴橋・玉造の整形外科が解説

梅雨が明け夏本番になり、趣味や部活でスポーツを行う人も多いのではないでしょうか。この時期だからこそ注意したいのがスポーツによるケガです。特に、夏は「特定の種類のケガ」が増加する傾向にあります。今回は、整形外科医の視点から、夏に増えるスポーツのケガの種類とその原因、そして何よりも大切な予防法と、もしケガをしてしまった際の適切な対処法について詳しく解説します。

夏にスポーツのケガが増えるのはなぜ?

夏は、冬場に比べて運動する機会が増えるだけでなく、気温や湿度といった環境要因がケガのリスクを高めることがあります。

  • 活動量の増加と急な運動負荷

    暖かくなると、冬の間に運動不足だった人も、急に激しい運動を始める傾向があります。準備運動不足のまま、いきなり高い負荷をかけることで、筋肉や関節に大きな負担がかかり、ケガに繋がりやすくなります。

  • 高温と脱水

    夏は発汗量が増え、脱水状態になりやすいです。脱水は、筋肉の痙攣(こむら返りなど)を引き起こしたり、集中力の低下を招き、思わぬ転倒や衝突のリスクを高めます。また、体内の電解質バランスが崩れることで、筋肉の収縮能力が低下し、肉離れなどのリスクも増加します。

  • 路面状況の変化

    夏は雨が多く、グラウンドやコートが滑りやすくなることがあります。また、ビーチバレーや水泳など、普段とは異なる環境でのスポーツが増えることも、普段使わない筋肉を使ったり、不安定な場所での負荷により、ケガに繋がりやすくなります。

  • レジャー要素の増加

    友人や家族とのレジャーで、普段あまりしないようなスポーツ(マリンスポーツ、登山など)に挑戦する機会が増えます。慣れない動きや不適切な用具の使用が、ケガのリスクを高めることがあります。

夏に特に多いスポーツのケガの種類

では、具体的に夏に増えるスポーツのケガにはどのようなものがあるのでしょうか。

1. 熱中症・熱痙攣

直接的な「ケガ」とは異なりますが、スポーツ中の体調不良として最も注意すべきは熱中症です。特に、屋外での運動や、風通しの悪い屋内での運動では、体温調節機能が追いつかなくなり、めまい、吐き気、頭痛などの症状が現れます。さらに進行すると、意識障害やけいれんを引き起こし、命に関わることもあります。

  • 原因: 高温多湿な環境下での激しい運動、水分・塩分補給の不足。
  • スポーツ例: 野球、サッカー、テニス、陸上競技、ロードバイクなど。

2. 肉離れ(特にハムストリングス、ふくらはぎ)

筋肉が急激に引き伸ばされたり、強い収縮が起こることで筋繊維が損傷する状態です。夏場は、運動前のウォーミングアップ不足や、疲労が蓄積した状態で運動を続けることで発生しやすくなります。特に、ダッシュやジャンプなど、瞬発的な動作が多いスポーツで頻発します。

  • 原因: ウォーミングアップ不足、急激な加速・減速、疲労、脱水。
  • スポーツ例: 短距離走、サッカー、バスケットボール、テニス、バドミントンなど。

3. 足関節捻挫

スポーツによるケガの中でも非常に頻度が高いのが足関節捻挫です。不整地での着地、急な方向転換、相手との接触など、さまざまな状況で発生します。夏場は、ビーチバレーや水泳後の滑りやすい場所での転倒なども原因となることがあります。

  • 原因: 不安定な路面での着地、急な方向転換、ジャンプ後の着地失敗。
  • スポーツ例: バスケットボール、バレーボール、サッカー、テニス、ランニングなど。

4. 膝のケガ(半月板損傷、靭帯損傷、ジャンパー膝など)

膝のケガも、スポーツの種類によっては夏に増加します。特に、ジャンプや着地、急なストップ&ゴーを繰り返すスポーツでは、半月板損傷や前十字靭帯損傷のリスクが高まります。また、成長期の子供には、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)の使いすぎによる膝蓋骨(お皿)の下の痛み(ジャンパー膝、オスグッド・シュラッター病)も多く見られます。

  • 原因: ジャンプや着地時の衝撃、急激な方向転換、過度な負荷。
  • スポーツ例: バレーボール、バスケットボール、サッカー、陸上競技など。

5. アキレス腱炎・アキレス腱断裂

アキレス腱は、ランニングやジャンプなどの動作で大きな負担がかかる腱です。夏場は、活動量の増加に伴い、アキレス腱に慢性的な炎症が生じたり、急激な負荷がかかることで断裂に至るケースも報告されています。

  • 原因: 過度なランニング、ジャンプ、急激な負荷、ウォーミングアップ不足。
  • スポーツ例: ランニング、バスケットボール、バレーボール、テニスなど。

6. 野球肘・野球肩(成長期の子供に多い)

野球をされるお子さんに多く見られるのが、肘や肩の痛みです。特に、夏休み中は練習量が増えたり、連投によるオーバーユースが原因で、投球動作による肘の内側や肩の痛みを訴えるケースが増加します。これは、骨がまだ未熟な成長期に特有のケガです。

  • 原因: オーバーユース(投げすぎ)、不適切な投球フォーム。
  • スポーツ例: 野球、ソフトボール。

夏のスポーツのケガを予防するために

ケガを未然に防ぐことが、楽しいスポーツライフを送る上で最も重要です。以下の点に注意して、夏場のスポーツを楽しみましょう。

  1. 十分なウォーミングアップとクールダウン

    運動前には必ず10~15分程度のウォーミングアップを行い、筋肉を温めて柔軟性を高めましょう。運動後も、クールダウンとして軽いストレッチを行うことで、疲労回復を促し、筋肉痛の軽減にも繋がります。

  2. 適切な水分・塩分補給

    運動中は、のどが渇く前にこまめに水分を補給しましょう。スポーツドリンクや経口補水液など、塩分や糖分が含まれたものを摂取することで、脱水症状や熱中症のリスクを軽減できます。

  3. 無理のない運動計画

    急に運動強度を上げるのではなく、徐々に負荷を高めていきましょう。特に、久しぶりに運動する方は、体力レベルに合わせて無理のない範囲で始めることが大切です。

  4. 体調管理の徹底

    睡眠不足や疲労が溜まっている時は、無理に運動をしないようにしましょう。体調が優れないと感じたら、すぐに運動を中断し、休憩を取りましょう。

  5. 適切な用具の使用

    自分の足に合ったシューズや、スポーツの種類に合った用具を使用することで、ケガのリスクを減らすことができます。特にシューズは、クッション性や安定性が重要です。

  6. 環境への配慮

    炎天下での運動は避け、できるだけ涼しい時間帯や場所を選びましょう。日陰での休憩や、風通しの良い場所での運動を心がけてください。

  7. 専門家によるフォーム指導

    特に特定のスポーツで反復性のケガが多い場合は、専門家によるフォームチェックや指導を受けることで、身体への負担を軽減できる可能性があります。

もしケガをしてしまったら – 早期の受診が重要

万が一、スポーツ中にケガをしてしまった場合は、決して自己判断で放置せず、速やかに整形外科を受診することが重要です。

  • RICE処置

    ケガをしてしまった直後に行う応急処置として「RICE処置」があります。

    • Rest(安静)

      ケガをした部位を動かさないようにし、運動を中止します。

    • Ice(冷却)

      患部を氷嚢などで冷却し、炎症や腫れを抑えます。

    • Compression(圧迫)

      弾性包帯などで患部を適度に圧迫し、内出血や腫れを抑えます。

    • Elevation(挙上)

      患部を心臓より高い位置に保ち、腫れを軽減させます。

  • 整形外科医の診察

    RICE処置はあくまで応急処置であり、根本的な治療ではありません。特に、以下のような症状がある場合は、すぐに整形外科を受診しましょう。

    • 激しい痛みがある
    • 関節の腫れや変形がある
    • 体重をかけると痛みが増す
    • 関節が不安定に感じる
    • 熱中症の症状が重い(意識障害、痙攣など)

     
    整形外科では、レントゲンなどの画像診断に加え、医師による触診や徒手検査を行うことで、ケガの状態を正確に診断します。その上で、適切な治療計画(保存療法:薬物療法、リハビリテーション、装具療法など、または手術療法)を立て、早期の回復と社会復帰をサポートします。

    当クリニックでは、スポーツによる様々なケガに対し、専門性の高い診断と治療を提供しています。リハビリテーションにおいては、理学療法士が患者様一人ひとりの状態に合わせたプログラムを作成し、再発予防にも力を入れています。

    スポーツのケガの治療は整形外科へ

    夏は、心身ともに開放的になり、スポーツを楽しむには最適な季節です。しかし、その一方で、特有の環境要因や活動量の変化により、スポーツのケガのリスクが高まる時期でもあります。

    十分な準備と適切なケアを行うことで、多くのケガは予防できます。もしも、スポーツ中に異変を感じたり、ケガをしてしまった場合は、大阪鶴橋・玉造の整形外科、山本整形外科へご相談ください。

    当クリニックは、皆様が安全にスポーツを楽しめるよう、全力でサポートいたします。お気軽にご相談ください。

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