交通事故に遭われた際、多くの方が精神的苦痛への補償である「慰謝料」について関心を持たれます。特に、整形外科への通院と慰謝料の関係は、早期の回復と経済的な安心を得る上で重要な要素です。
慰謝料の種類
交通事故の慰謝料
交通事故の慰謝料は、大きく分けて以下の3種類があります。
- ◼︎傷害慰謝料(入通院慰謝料): 交通事故による怪我の治療のための入通院に対する慰謝料
- ◼︎後遺障害慰謝料: 後遺症が残った場合に支払われる慰謝料
- ◼︎死亡慰謝料: 交通事故で被害者が死亡した場合に、遺族に支払われる慰謝料
慰謝料の算定基準
慰謝料の算定基準には、以下の3つがあります。
- ◼︎自賠責保険基準: 自賠責保険が定める最低限の基準
- ◼︎任意保険基準: 各保険会社が独自に定める基準
- ◼︎弁護士基準(裁判基準): 過去の裁判例に基づいて算定される基準で、最も高額になることが多い
今回はこのうち自賠責保険基準について解説いたします。
自賠責保険とは
自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、すべての自動車やバイクに加入が義務付けられている保険です。交通事故の被害者救済を目的としており、最低限の補償を確保するための制度です。
自賠責基準における慰謝料
自賠責保険基準では、交通事故による精神的苦痛に対する慰謝料は「傷害慰謝料(入通院慰謝料)」として算定されます。この基準は、主に以下の要素に基づいて慰謝料を算出します。
- ◼︎治療期間: 治療開始日から終了日までの期間
- ◼︎実治療日数: 実際に病院や整形外科に通院した日数
具体的な計算方法としては、以下のいずれか少ない方の金額が慰謝料となります。
- ◼︎4,300円 × 治療期間
- ◼︎4,300円 × 実治療日数 × 2
例えば、治療期間が90日で、実治療日数が30日の場合、1は387,000円、2は258,000円となり、少ない方の258,000円が慰謝料となります。
整形外科通院の重要性
交通事故による怪我、特にむち打ちや骨折などの治療において、整形外科は中心的な役割を果たします。適切な診断と治療を受けることは、後遺症のリスクを軽減し、早期の回復に繋がります。また、整形外科での診断書や診療録は、慰謝料請求の際に重要な証拠となります。
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適切な診断と治療
専門医による適切な診断と治療は、後遺症のリスクを減らし、早期回復を促します。
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客観的な証拠
診断書や診療録は、怪我の程度や治療経過を示す客観的な証拠となり、慰謝料請求において有利に働きます。
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リハビリテーション
整形外科では、リハビリテーションを通じて機能回復をサポートし、日常生活への早期復帰を支援します。
慰謝料請求の流れ
01
治療に専念
まずは整形外科での治療に専念し、医師の指示に従いましょう。
02
診断書・診療録の取得
治療経過を記録した診断書や診療録は、慰謝料請求の際に重要な資料となります。
03
保険会社との交渉
治療終了後、保険会社と慰謝料の交渉を行います。
04
弁護士への相談
交渉が難航する場合や、慰謝料の金額に納得できない場合は、弁護士に相談することも検討しましょう。
注意点
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過剰な通院
必要以上に頻繁な通院は、慰謝料の増額に繋がらない場合があります。医師の指示に従い、適切な頻度で通院しましょう。
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治療期間の重要性
自賠責基準では、治療期間も慰謝料の算定基準となります。早期の治療終了は、慰謝料額に影響する可能性があります。
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自賠責保険の限度額
自賠責保険には、傷害による損害賠償額に120万円の限度額があります。治療費や慰謝料がこの上限を超える場合は、任意保険への請求が必要となります。
まとめ
交通事故後の整形外科への適切な通院は、怪我の早期回復だけでなく、慰謝料請求においても非常に重要です。自賠責基準を理解し、適切な手続きを踏むことで、経済的な負担を軽減し、安心して治療に専念することができます。
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免責事項:
- このコラムは一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。
- 個別のケースについては、弁護士などの専門家にご相談ください。